テストエンジニアとは、エンジニアが開発したサービスやシステムが正常に動くかをチェックし、報告や改善策を提案するポジションだ。エンジニアの中では決して花形とは言えないが、プロジェクトには必要不可欠だ。
わざわざテストエンジニアを雇わなくても、開発に携わったエンジニアがテストすれば良いのではと思うだろう。確かに、開発したエンジニアがテストエンジニアを兼任するケースもよくある。だが、テストには専門の技法や知識が必要とされ、誰にでも務まるポジションではないのだ。
また、改善策の提案も業務範囲のため、十分な知識と発想力が求められる。

そして、第三者もしくはユーザーの目線で意見を出せるエンジニアは意外と少ない。開発に関わると開発側の意図や工夫を知り、純粋なユーザーの視点が曇ってしまうのだ。そのため、テストエンジニアを雇い新鮮な目線をもって開発された製品を見てもらう必要がある。

テストエンジニアの魅力は、エンジニアによって開発された製品の全体像を把握できることだ。
テストエンジニアは開発の最終チェックを行うポジションであるため、その製品の成り立ちや完成までの工程を知ることができる。その過程で、開発について多くを学べるのだ。

一方、テストの自動化のため需要がなくなるとの懸念もあるが、それは疑わしい。テストエンジニアはチームと共に動き、開発チームと綿密なコミュニケーションを取らなければならない。さらに必要であれば、クライアントにヒアリングも行う。
テストエンジニアもまた人を相手にした仕事であることを考えると、完全自動化は難しいだろう。